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経年変化についてまた語る

更新日:2020年1月25日


古いものって味がある

なんと言えばいいのか、その過ぎた時間がたっぷり含まれた味わいとでもいいましょうか

新しいものも確かに良いのですが、心のそこからくるいいなという感じはどうしても負けてしまう。

なんででしょうね。

街を見渡せば、街の中にある古い建物や神社も心の拠り所として存在していると思います。

小さい頃の記憶がまだそこにあるような

木の家を好きになられる方に共通することは、その感覚の共有にある気がします。

住む人と一緒に年を重ね、家に帰るたびにここの色が変わったなと思いながらドアを開ける

家族が増えて写真を撮った背後には少しづつ変化している自分の家がある。

いつもそこにありながらも、その時々の記憶が刻まれる

とても素敵なことですね。

最近は、シルバーグレーの変化を楽しむのか、違う色味の変化を楽しむのかで

外壁の種類をご提案させていただいております。

木色からシルバーグレー、そして黒への変化を楽しむなら米杉

(湿気・紫外線の多い湘南は黒になりやすい)、

着色したカラーが、少しづつ違う色に変化するのを楽しむなら信州カラマツ

木の構造の違いで成分が抜けやすい米杉はシルバーグレイに変わりやすく、

色の成分を保ちやすいカラマツは、残った鉱物の割合で色の変化を起こします。

共に針葉樹であり耐性も高く外壁に適した素材ですが、経年変化に対しては大きく違います。

木の家ってメンテナンスが大変でしょう?

って、よく聞かれますが

人間の体の方がメンテナンスがよっぽど大変

木の家に住む人の外壁は基本ノーメンテ。自邸も含めてほったらかしです。

雨の防水処理はその内側でしっかりしているので、あくまで見かけの問題なのです。

部分的に割れたり、台風とかで抜け落ちたもの以外は、ゆっくりその変化を楽しんでいます。

モルタルとかガルバリウムとかだど、施工当時の姿を維持することが最善なので経年の変色、汚れ、傷などがヤレ(劣化)としてどうしても目立ってきてしまいます。

でも人間の体と同じでノーメンテというものは時間が存在する以上ありませんが、

家の変化に合わせてゆっくり付き合う暮らし方

それこそクラシック(暮らし+シック)な家づくりにつながると思います。

クラシック一級建築士事務所 山本寛之

www.clachic.casa

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