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原 薫

ジネン的思考で考えるアルプス公園



 松本市のアルプス公園のオートキャンプ場建設について、喧々諤々起きてますね。

対立構造になってしまっていることが少々気がかりではありますが、自然に対して目を向けていただくいい機会にしたいと思っています。


 今回、この問題を私のテーマ「自然(ジネン)」的思考で捉えてみたいと思います。折しも2月23日、天皇誕生日の会見にて陛下が述べられていたお言葉があります。「異なる立場や考え方の人との付き合い方や意見の述べ方は、他者に対する想像力や尊重の意を大切にし、ともに寛容な社会を築いていくことを望みます」


 まさにジネン的思考です。相手を尊重できない状態というのは感情論になってしまっていることが多く、それは自身の内面にある何かが反応しているときです。相手は自分の写し鏡ですから、対立するほど自身も傷つき、勝ったとしても後味の悪いものになります。


対立ではない形にするのがジネン的思考であり、これを「和談」というのだそうです。意見の違いをぶつけ合う「討論」ではなく、同じ方向を向いて歩み寄り、《互恵》を目指す話し合いが「和談」。日本人の私たちにはよりしっくりくるのではないでしょうか。


 振り返ってオートキャンプ場についての状況。賛成反対いずれの立場の方々も、「松本をより良い街にしたい」という想いは同じだと思いますので、互恵を目指すためにも、原点に立ち返って「アルプス公園を《自然を学ぶ場》にするためにどうすればよいか」から考えることを私は提案します。


 残念ながら、今のアルプス公園は「自然を学べる場」にはなっていません。環境としては緑豊かな場所ではありますが、都市公園という制約があるため禁止事項も多いのが現状です。


 毎年開催されているネイチャリングフェスタでも、子どもたちは自然の中で主体的に学ぶ(遊ぶ)ことよりも、お金を払って体験させてもらう「受け身の消費者」になってしまっています。


 一方、オートキャンプ場が自然を壊してしまうのではという心配をされている方も多いわけですが、現況、既に自然に負荷をかける開発がされており、不自然な植生や元気のない樹木も目立ちます。


 では「自然を学ぶ」とはどういうことか。ジネン的に言えば、私たちは他の命をいただかなければ生きられないのだという自覚と謙虚さを持ちつつ、多種多様な生物が命育む場としての里山を作っていく「実体験」をしていくことだと思います。体験の中にこそ、すべての学びがあるのですから。



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