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ご近所の木を切ってきて家をつくるプロジェクト②

 

neighborhood 【néibərhùd】

1.近所、近隣、自宅周辺
2.近所の人、近隣住民
3.そば、近く、付近
4.〔ある特定の特色を有する〕地区、地域、区域

neighborhood+wood=neighborwood

 

 


近くの木を「自分で」切ってきて、家に使ってみる。
ネイバーフッドならぬ、「ネイバーウッド」プロジェクト。

昨年12月、大町市の山に、下見に行ってきた様子をお届けします。

 

 

場所は、木崎湖湖畔の道を少し上がったところにある、荒山林業さん所有の山。

 

 

荒山林業さんは大町市に約250haをもつ江戸時代から続く山主兼林業家です。特に先代の荒山雅行さんが、広葉樹を活かす思想を持って日本屈指の森づくりをされてきた方として知られています。荒山林業さんについては、こちらの記事をどうぞ。

★ソマミチツアーのちから。ー荒山林業95年のカラマツに会う。

 

 

今回の山は、

・荒山さん所有の山の、飛び地。
・森林簿(森林資源情報・施業(お手入れ)履歴が記載された帳簿)に91年前に植樹された記録あり。
・100年ほど前に、ヒノキ主体で植林をされた。
・直近では20年ほど前に、枝打ちと間伐を行い、間伐材で家を一軒建てた。

というプロフィール。

 

 

ご一緒いただいたのは、山仕事創造舎・山川草木の代表、林業家の香山さん。そして、大工さんをお願いする予定のしももと建築下本さん。それから、山の所有者である荒山林業さんを8代目として引き継いたばかりの荒山雄大さんと、香山さんのセミナーを受け「恵那からくっついてきた」という林業女子Iさん。

 

 

うわー、気づけば本格派のみなさま。ご一緒するのが私でよいのか、今さら不安がよぎっておりますが…山から学びつつがんばりたいと思います!

100年ほど経っている山ですが、これから200年を目指して育てていくという目線で、木々を見て回ります。
ざっくり言えば、
A・これから育てる木(スイスの影響もあって「育成木」と呼んでいるそう)
B・今切らないといけない木、
C・今切っても切らなくてもいい木(C-1・使いみちがあれば切る、C-2使いみちがなければ今は切らない)
と分類していきます。

手順としては、Aの木を「育てる木」と決める(といってもプロからすれば大体決まっているようでした。真っ直ぐで材としての価値が高い、搬出するための道路付きがよい、枝が多くてこれからも成長が見込める、など)。
次に、育てる木の邪魔をしている木(枝がかぶっていて成長を妨げるなど)や、切らなければいけない木を切るのに邪魔な木などがBになります。あわせて伐倒方向(倒す方向)も決めていきます(真下に倒すと衝撃で割れることもあるので、上方か横方向に倒すのがセオリー)。

とは言え関係性は一つではないから、あれを切るならこれをきる、そのためにはこれが…と無限ドミノみたいな感じで、木を見極めていきます。

 

 

話の端々に「あと20年くらいしたら…」「300年の木なら…」という言葉が出てきて、林業の方たちの長い時間のスパンがとても新鮮。

こちらは、支障木(ししょうぼく)といい、もう間伐するから枝打ちをしないことにした木。

 

 

つまり前回の間伐をした20年前の時点で、もう切ったほうがいいと判断されているわけですが、なかなか切る余裕もないのが実情だとか。

 

 

この山は、植林された時期がだいたい100年前で、5・60年前に一度地面が動いた(雪などで)ことがあるようで、みなさん根本が曲がった「アテ」のある木になっています。

この木は、ウリハダカエデ。実生でそだってきた広葉樹があるのが嬉しい。

 

 

 

以前、東京のガーデンデザイナーの正木覚さんに「広葉樹の方が心地よく感じるのはどうしてなんでしょうね?」と聞いて、風媒花と虫媒花の違いを教えてもらったことを思い出します。天ぷらなどにする山菜のコシアブラも、ヒノキやカラマツと相性がよいそうで、たくさん生えていました。そんなふうに、植生としても、収入面でも、多角化した山が増えたら面白いですよね。

こういう下草でリースとかつくりたい。

 

 

 

子どもの頃、外国の絵本などで「女の子たちが山に入っていって花やきのこを取る…」といった描写を見ると、そんな入っていきやすい山がなんで近くにないんだろう!と思っていました。いや、そんな山をこれから作ろうではありませんか!

キツツキが、虫を取るために開けた穴。そうか、巣にする訳でなくても、穴を開けるのですね。

 

 

 

樹皮がボサボサになっている部分があり、「クマですか?」と聞いたら、どうやらリスのようです。リスは巣をつくるために樹皮の表面をちょっと持っていって、木の上に丸い巣をつくるらしい。

 

 

みなさん山のエキスパートなので、ムキタケが発見されました。夜光るという毒キノコ・ツキヨタケじゃないんですか!

 

 

帰ってきて調べてみました。割れば違うのと(下図)、生える時期がツキヨタケは晩夏から秋、とのことで、ムキタケで正解のようです。

 

 

 

比較写真はこちらからお借りしました。

ウロになっている木も。住めそう!上の方には枝が落ちた穴も開いていて、煙がでそう!と盛り上がったり。

 

 

 

 

ここには大きなホオノキがありました。

 

 

ホオノキ好きです。大きすぎる葉っぱをみていると縮尺がおかしくなって、自分が虫くらいに小さくなった気分になりますよね(え、ならない?)。

 

 

 

ちっぽけな自分感…伝わるでしょうか。

すぐ下は、別の方の所有の山。

 

 

 

枝打ちも間伐もされておらず、ひょろひょろの木になっています。ああ、確かに手が入っていないなあ…と、見て分かります。今は日本のどのくらいの山がこんな状態なのでしょうね。

また、北山の斜め植えといわれる手法で植林されたらしい木も。斜面に対して直角に植える方法で、幹が自力で垂直に起き上がって育つため、根元はJ字形に曲がってしまうけれど、積雪に強い木に育つそうです。

 

 

荷重がかかって曲がってしまったアテとの違いが…分かる自信はありません。

そんな隣地とのさかいめに、面白い切り株発見。切り株に萌えるみなさま。

 

 

こんな風に高い位置で切られているのは、チェーンソーを使うようになる前の斧を使った伐り方。斧だとあまり低い位置で切れないからこんな風になるのだとか。100年前に植林した時に切った木かもしれない…とのこと。

 

 

 

苔むした様子も素敵で「動物のミニチュアとか置きたい」「崖登る人とか」と、盛り上がることひとしきり。うーん、山、エンタテイメントだなあ。

 

もう一か所見せていただいたのは、スギがメインの山でした。

 

 

地形的に谷になっていて水分が多く、スギに向いている土地なのだとか。元々乾燥して栄養の少ない場所に生えていたカラマツは、こういう肥えた場所に植えると「暴れカラマツ」になってしまうそうです。

 

 

葉っぱでわかりますか?スギです。でも、この山のスギはあまりよくなさそう…と香山さんは判断されているようです。材の色は、材種と土目(つちめ、土壌の性質)によって決まるので、もともと植えた苗の系統がよくなかったのかな…とのこと。

歩いていくと、2mそこそこの木が密集して植えられていました。

 

 

アテ、とよばれる木だそう。一般的な名称としては、アスナロ…でいいのでしょうか。

 

 

 

 

档(アテ)は、石川県独特の造林樹種で、能登半島で広く造林されています。アテの中にはマアテ、クサアテ、カナアテなどの品種があります。 平成5年から木材流通の段階でアテを「能登ヒバ」と呼ぶことになりました。 アテの特徴として、独特の強い香りがあります。独自の成分ヒノキチオールを含んでおり、耐久性が高く、水湿にも耐えるので、住宅の土台に用いられる事が多い木材です。 (こちらより)

 

 

耐陰性が高く、上が開くまでじーーっと待つんだそうです。これも、おそらく植樹後20年ほどは経っているはず。
すごく密集して植えられていた状態で、これを活かすならそろそろ上をふさいでいる木を切ってあげないとなんだけど…とのこと。でも何百ヘクタールもある山は、なかなか手が回らないですよね。

これは、凍裂(溶けたり凍ったりを繰り返して木が裂けてしまうこと)で材としての価値はなくなってしまった木。

 

 

その他にも、雪で二股になってしまった木など一般的に価値は低いと言われる木も、見極めていけば無駄にしないで使いこなすことができます。普通は何でも4mの玉切りにしてしまうところを、根元から2mで板を取ってからその上を柱にするなどの工夫は、木を知っていれば本来はできること。でも今はいっしょくたにしてダメなものはチップに、という扱いになってしまい、それでは搬出の費用も出せないという現状だそう。
それから脱するための方法、補助金をもらう形ではない林業…もちろん難しいのは承知の上、そんな次の形の林業に挑戦するみなさんです。

色々伺いながら山を歩いていたら、お昼はすっかり過ぎてしまいました。木崎湖のほとりの「アニメの聖地でうどん屋併設のコンビニ」で、お昼。

 

 

知らないで行くと「???」がいっぱいになるおもしろいコンビニです。(写真をお借りしたこちらに詳しく書かれています)

さてこれから、松川村の髙橋林業さんへ向かいます。製材と保管をお願いする予定です。

 

 

 

天然乾燥という、乾燥機に掛けない乾燥方法を採用されている、製材所・工務店さんです。

 

 

以前記事にした低温乾燥よりさらにマイナーになってしまっている天然乾燥(天乾=てんかん、と略します)をされているだけでも珍しいのに、扱う材は長野県産材のみなのだとか。すごいこだわりです。

 

 

モデルハウスも見学させていただきました。

 

 

無垢材の梁の割れなども、うまく隠れるようにプランされています。でも、乾燥が進んで生じる割れってしょうがないですよね。そのあたりは今の受け取り手が小ぎれいなものを求めすぎているように思います。いや、画一的な品質を絶対だと思い込んで、売り手側がそれをエンドユーザーに見えないようにしている、というのが本当のところかも。

 

ケヤキの階段。

 

イチイの柱。

 

 

アカマツのフローリング。

 

 

自分が何も分かっていないことがよく分かる一日で、多少へこみ気味の気持ちにもなりましたが、ここから始まるという希望の方を強く持って、めげずに参りたいと思います。関係者のみなさま、よろしくお願いいたします(笑)!

 

ゆくゆくは、フローリングなどに使う木を、家族や友人と切りに行けるようになったら面白いと思っています。でも、一般の人が入りやすい今季の切り旬は終わってしまったので、来シーズンのご予約絶賛承り中…かもしれません!(※勝手に言ってます)

 

次回は、Landschaft家族連れで木を切ってきたご報告です!

 

 

 

 

 

 

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