top of page

プレミアムのその先へ


ソマミチでは松本〜安曇野地方の特産である、カラマツやアカマツを活かした製品を数多く企画しています。 大町市の荒山林業にある、大正時代に植えられたカラマツが台風で倒れました。95年という歴史を生き抜いたカラマツをどのように活かせるか。 試しに製材したら、それは美しい魅力に溢れた材でした。日々の暮らしの中で触れ合える場所で、いままでに無いかたちの使い方ができないか。 森林と人々の暮らしをつなぐために、山の入り口と出口で様々な取り組みをはじめている(株)山川草木が企画。林友ハウス工業の製材乾燥技術を活かして試作しました。

どんなに高齢でも、カラマツはカラマツ特有のクセがあります。カラマツを最高に活かす、柾目という木目が並行に並ぶ木取りでは、直径の4割くらいの幅の板しかとれません。95年という樹齢でも特別に年輪の緻密な材ですから、幅広の一枚板をとるにはまだ100年早い。言ってみればマグロの大トロのような希少な材をどう活かせるか。 いわゆる銘木の世界では高価な材を極々薄く削いた突板にして、合板などの基材の表面に貼るという使い方がしばしば行われます。かつて天然カラマツの銘木もそのようにして使われてきました。しかしここでは木の生きてきた歴史がうんだ美しさを、木材の質量を感じられる姿で、何気なく日々目にしたり触れたりするところに置きたい。 そこで、新たなチャレンジとして、住宅の内装、窓枠や巾木、棚板等に使うことを考えました。 製品開発としてはごく最初の試作の段階ですが、歴史を超えて育ってきた木を手間をかけて丁寧に活かす。これからの「木を使う社会」ではこんな在り方を求めて行きたいと思います。 ほとんどが戦後に植えられ50年から60年生に育ってきたカラマツ。いま全部伐って植え替えることももちろんできますが、このような使い方ができれば、間伐を繰り返しさらに長く育てることの目標にもなるのです。


閲覧数:100回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page