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木を使う気持ち


木を使う社会の仕組みをつくる。

ソマミチの活動目標として掲げている言葉です。

でも、そのまえに、私はどれだけ木を使っているだろうか? 木こりとして山から木を伐り出す仕事をしてきた私自身が、暮らしの中で木を使うことにもっと熱心でありたい。 例えば燃料として薪を使い、木造の家に暮らし、それだけでも充分に木を使っていることになるかもしれません。でも、もっといろんなかたちで、価値を高める使い方ができないか。

山の側としては、少しでも高く木を買って欲しいというのが本音です。それなら、私自身、どれかけ木の価値を高めることに力をいれてきたのか。 木造の家を新築することができればいちばん良いのですが、それはなかなかのオオゴトです。 そこで見直したのが日常生活のちょっとした道具類。昔は木材で造るしか無かったのですが、いまでは工業製品ばかり。 とりあえず、目の前に手に入る木で、できることからやってみよう。

ということで、生木をそのまま加工する、グリーンウッドワークに少しずつ挑戦しています。 まだほんの駆け出しで、試してみたという程度なのですが、これはとても楽しい。

はじめてつくったのはクワの木のスプーン。とても気に入っていますが、実用性は無く飾って眺めているだけです。

思い切り簡単にということで、細いウリハダカエデの皮をむいて、半分に割りドリルで孔をあけたペン立てをつくってみました。修学旅行の木工体験の指導を頼まれたときに思いついたものです。これなら30分あればつくれます。ちゃんと仕上げれば、見た目も良いし実用性もあります。 自分用はいまだに仕上げもしてない未完成品ですけれど、普通に使ってます。

実生で出ていた樹齢10年のスギを除伐したもの。これで何かがつくれたら、それこそ無価値のものに価値を与えることになる。そう意気込んではみたものの、まだ何の形にもなっていません。さわって、眺めて、削って楽しむというのも、アリでしょうか? 「木と遊ぶ」ということも、少しは木の価値を高めることにはつながるかもしれませんが、それだけでは山に還元するまでにはなりません。

昨年末に松本で杢工房という屋号で木のものづくりをしている横川勝さんから、高齢カラマツの枝でつくった、ぐい呑とペンをいただきました。私には輪切りしかつくれなかった枝。心をこめて、道具と技を活かして造られた木工品は、素人が片手間でつくったものとは違い、本当に木の価値を高めるものです。いくらで売れるかという事ではなくて、間違いなくただの枝より存在価値は高くなっていると言えるでしょう。

木を使う仕組みのモトになるのは、まずは木に触れて木を使う気持ち。

そして木を活かす技を大切にすることです。


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