■あれから4年。新しいソマミチ、始まります。
改めまして、ソマミチの代表を務めております、柳沢林業の原薫です。ソマミチメンバーとの奇跡的な4年前の出会い。そのとき「なんでこれまで出会えなかったんだろう」と思えるほど感動したこと、今でもはっきり覚えております。山に関わる人だけでなく、製材、建築、木工、に関わる人たちが、一本の道(ソマのミチ)で繋がっているんだということ。それだけでなく、それまで頑張っても伝わらなかったことが、言葉なくとも分かり合えるような安心感。もちろん表現方法はそれぞれなので、ぶつかることもありますが、なにか「あうん」の呼吸で伝わる気持ち。根っこがつながっていると確信できる感じでしょうか。
そんな奇跡的、いや必然的に出会ったメンバーとともに、もっと多くの方と楽しいことをしていかれる体制が整いました。平成29年12月4日、、ソマミチを法人化いたしました!過去4年間、ソマミチツアーなどで直接お会いした方もいらっしゃいますが、ソマミチを応援してくださる方とのご縁がfacebookなどのSNSを通じて広がっております。そしてこれからは、ソマミチが目指すものをもっと多くの方に、実際に目で見て、直接触れてと、全身で感じていただく機会を増やしてまいります。さらには、私たちソマミチメンバーと共に、森の恵みを皆で共有していこうと「シェアフォレスト」の概念を提起し、森で共に遊び、考え、行動する仲間を増やしたく、サポーター制度(会員制度)を設けることになりました。只今、ソマミチツアーの年間スケジュールを立てるなど、サポーターの皆さまに、森へ遊びに来ていただけるように、企画会議を重ねております。季節ごとに異なる表情を見せる信州松本の森へ、何度も遊びにいらしてください。
■「ソマの道から、始める暮らし。」
さて、「ソマミチ」という名前は「ソマの道から、始める暮らし。」というメンバーが紡いだ言葉から生まれました。ソマとは「杣」。林業を営む山のこと。昔、杣人(そまびと)が山仕事に通ったその道を杣道と言います。「ソマの道から、始める暮らし。」という言葉には、人々に「もっと山に、自然に、寄り添って暮らしませんか。」という呼びかけの意味が込められております。
ソマミチのメンバーが日々向き合う「木」は、自然界において基本的に芽を出したところから移動することはできません。でもそこで自分のいのちを全うしようと、精一杯戦略を考え、その場に適応するように成長していきます。「精一杯」と書きましたが、それも私の偏った見方かもしれず、「淡々と」の方が近いかもしれません。いずれにしても、誰から強制されたわけでもなく、指示されているわけでもなく、またその条件を受け入れ、逆らうことなく成長していきます。まさに自ずから然り。あるがままの姿ですよね。
■ソマミチから伝えたい、「自然(じねん)」について
古来日本では、自然を「じねん」と発音しました。「しぜん」という発音は、明治以降に「nature」の訳語として充てられてから使われるようになったそうです。「じねん」と「しぜん」実は全く意味が異なります。「じねん」とは、人間、自分自身も含めた概念。「しぜん」とは、自分の外側の世界であり、人間が保護したり開発したり、つまりコントロールできる対象として認識している存在。「環境」に近いかもしれません。自然が「じねん」であったころ、その一部として存在していた日本人は、あるがまま、ありのまま、逆らうことなく自分らしい生き方ができていたのではないかと思います。また、自然は自分自身だから、それを汚すこと、破壊することは、自分自身を傷つけることに等しかった。四里四方で採れたものしか食べられない時代だったからこそ、それは理屈ではなく、命に直結する実感だったことでしょう。
一方、自然が自分自身であるということは、自然の中に存在するものを活かすことが、すなわち自分自身が生かされることでもありました。昔の職人さんが曲がった木を巧みに使っている組み方などを見ると、実は職人さん自身が面白がって楽しんでいたのではないかと思うことがあります。「俺らにしかできねえぜ!」みたいな。難しことは大変というだけではなく、実は工夫や知恵を引き出すことでもあるんですよね。人間の可能性は無限大でもあるわけですから。
■逆らわず、多くを持たず、潔い、「難を逃るる妙法」
「山の恵み」という言葉があるように、自然は実に多くのものを私たちに与えてくれます。そして信州では特にその自然からの贈り物を手に入れたくてこの地を選んでいる方も多いことでしょう。しかし、自然は時として恐ろしいことももたらします。私たちにとっては災害という形で。そう、すべては表裏一体。いいとこどりはできないんですね。まるで、贈り物が当たり前になり、その感謝を忘れたことのしっぺ返しのように起きたりしますね。
一方、「じねん的」な生き方をしていた昔の日本人は、そこで生きるしか選択肢がなかったからこそ自然の摂理を実によく観察し、その土地と向き合っておりました。そして摂理に逆らうことなく、自然の力を引き出しうまく利用しながら田畑を切り開き活用してきました。それが「里山」ですね。その暮らし方は災害を0にはできないこの日本において、大難を小難に、小難を無難に、無難を無事に生きることにつながっていたと思われます。命さえあればまたやり直せる。自然への畏怖の念と感謝を忘れず、逆らわず、多くを持たず、潔い、足るを知る生き方。江戸時代後期の僧侶「良寛さん」がおっしゃっているところの「難を逃るる妙法」ではないでしょうか。
■自然(じねん)の暮らしへのきっかけを作ります。
はあ、難しいですねえ。眉間にしわが寄ってしまいますねえ。いやいや、大事なことですが、眉間にしわを増やすと老けてしまいますから、美容には良くないですね(笑)。はて、ここまできちんと読んでくださった方がどれほどいらっしゃるかわかりませが、
ここからが、本番です!プロローグ、長すぎました(汗)。この自然的生き方を地でいくメンバーが、それを素敵にかっこよくお見せし、「心地よく楽しんでいたら、気づいたときには自身もそんな素直な生き方であり、自分らしい生き方に近づいていた。」となるようなライフスタイルに引き込んでいくのがソマミチの目指すところであります。うわ!ハードル高!!
そしてこれから、大事な自然とのお付き合いのルールをわかりやすくお伝えしつつ、今の時代に受け入れられる形で、「自然と遊ぶ、木と戯れる、人生を楽しむ、自分を愛せる」空間と時間を提供していきたいと思っておりますので、是非多くの方のご参画をお待ち申し上げております!